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DecoPは何のために開発された?

鍵谷氏 : 東京都町田市では10年ほど前から自治体として生ごみ処理機を運用していますが、それらは30キログラムや50キログラムといった中~大型の機種で、なかなか設置スペースがないという課題がありました。公団のごみ集積所のような、限られた場所でしか利用できなかったんです。
 そこで、市から商工会議所を通じて、「より使いやすく、町中に設置できる小型の機種がほしい」という依頼があり、弊社で開発をスタートしました。せっかく新しく作るなら、地域の人たちにとって本当に使いやすいものを作りたい。大手メーカーでは真似できないような、細やかなニーズに応えたい。そう考えて試作を繰り返し、約2年半の開発期間を費やして、ついに自信をもって発表できる性能のDecoPが完成したんです。

DecoPを作ったのは誰?

鍵谷氏 : 「DecoP開発プロジェクト」は、町田市との共同開発という形で、私たち株式会社和広が中心となって推進してきました。弊社はもともと、主に鉄道車両の制御装置の製造開発などを長年行ってきたメーカーで、電気製品の設計開発から部品調達まで一貫して提供することを得意としています。
 一方で、バイオテクノロジーの分野や、制御システムのソフト化といった分野では、町田市内にある各専門企業との協力体制を築きました。また、通信関係の部分では、大手メーカーの通信機器分野で長年エンジニアを務めていらした大ベテランの専門家を迎えて、開発リーダーを担当して頂きました。
 このように、DecoPは町田市内のメーカーと専門家が力を合わせ、すべての技術力を注いだ結晶といえる製品です。

DecoPはどこがスゴイ?

鍵谷氏 : まずコンセプトとして、自治体での運用を想定した小型のごみ処理装置という点が、ほかにはない特徴です。町ぐるみで利用するので、大手メーカーよりも地域に密着した、私たちのような小回りの効く企業のほうが開発に向いていたと思います。
 機能面では、バイオ(菌)の力を完全に引き出している点が、他の製品にはない大きな特徴です。菌というのは生物なので、DecoPは「生き物を育てる機械」のような特性があります。どうすれば菌の動きを最適に制御できるか、何度も何度も実験を繰り返して独自のシステムを構築するという部分に、もっとも力を注いでいます。また、制御システムを基板化によって小型化し、管理用の通信システムも含めて小さいボディに詰め込んだことは、とても画期的な成果だと自負しています。

DecoPを使うことが、なぜ街づくりにつながる?

鍵谷氏 : 第一に現実的な課題として、町田市は2020年のごみ処理施設移転に向けて、生ごみ処理量の3000トン削減という目標を掲げています。まずはこれを達成することが最初の目的です。
 ただ、私たちはそこから一歩踏み込んで、新しい「地域のつながり」に貢献したいという目的をDecoPに託しています。私が住んでいる町田市の小山地域は若い人の多い新しい街なので、まだ地域の自治体への加入率が低いんです。地域の横のつながりが希薄になると、みんなが他人に無関心になって、安心して暮らせる街ではなくなってしまいます。
 町内などの地域エリアには必ずひとつ以上のごみ集積所があり、DecoPのサイズはそこに置くことを念頭おいています。「誰もが使う場所に必ずある」となれば、地域の人びとが一緒に使えます。みんながリサイクルという同じ目的を持つことで、新しい地域のネットワークが作れるはずです。DecoPを通じて一人ひとりの地域への参加意識を変えて、街のコミュニティを活性化するしくみを作りたい。私たちが暮らしを通じて実際に感じていた問題意識を、DecoPの開発コンセプトに盛り込んでいます。